フリーランスコンサルタントパーク | フリーランスになる前に考えるべきポイント

フリーランスになる前に考えるべきポイント

起業家は楽観的だ、と一般的に言われています。確かにバブル期以降は開業率が廃業率を下回り、創業1年以内の廃業は3割から4割、3年以内には7割、そして10年以内では8割という数字を見ても、リスク回避的であればまず選ばない選択肢と言えるでしょう。その中でも情報通信業・医療・福祉業界において開業率が廃業率を大きく上回っており、開業率もその他の分野より群を抜いて高いという点は、ITフリーランスを目指す上で勇気づけられる傾向です。

フリーランスとしての護符を持つ

昔話であれば、主人公が助けた動物や神仙からどうしても困ったときのためにともらった護符を手に旅立ちます。開業にあたっても、予想される事態に対して戦略をある程度練っておくことが先々の備えになるのです。まずIT分野広しといえど、どこから切り込むのかを考えておくことです。技術革新のスピードが速く、現時点でのスキルには自信があったとしても今後どこまで通用するか、その保障はありません。どこか軸足を置く分野を定めて、深く掘り下げて行けるかどうか、どの程度需要があるのか、最低限食いっぱぐれのないものかどうか考えなければなりません。またその選択の基準は、人脈なのかスキルなのかもよく見極めましょう。起業すれば、仕事を受注するために営業もしなければなりません。後にも先にも、まずは受注がすべてです。自分の売り込みたいスキルに需要があるのかどうか、一時の情熱に惑わされない冷静な判断が必要です。高度な専門スキルを持った人脈があるならば、むしろ取りまとめ役として経営に専念するという選択肢もあります。

個人か法人かの判断　－旅は道連れ－

また個人事業主として起業するのか、会社を立ち上げるのかという選択も考えましょう。IT分野では個人の高いスキルによってフリーランスで成功する道もあれば、ある程度大きなプロジェクトを想定し、数人でチームを組まなければ始められない事業もあります。そして初期段階から外部からの事業資金の調達などを考えているのであれば、対外的な信用を得るために少なくとも会社を設立して登記をし、会社名義の銀行口座を開設することが必要になるでしょう。もちろんフリーランス同士が緩い結束を保つという方が良いのか、がっちりとスクラムを組んで明確に役割分担を決めた一個の組織体として活動するのかも、結局は集まる人の個性次第という点を見逃すことが出来ません。いずれにせよ人が集まれば軋轢を生むのはある程度覚悟しなければならないでしょうが、意見や考え方の相違から対等なメンバー同士ではうまく行かない場合も少なくありません。人と人とのつながりが営業になり仕事になり、生き残る戦略に直結します。コミュニケーションを十分に図って、うまく自分や他人の能力を引き出せるような場を生み出す仕組みが必要です。